★情報発信の経済学。
昔、よくなぜWEBが普及したのか、ということが議論された。僕はこういう説明がいいのではないかと思っている。
ある人が情報発信をしたいと思っている。その人がその情報発信をすることには、コストが発生する。そのコストには、コンテンツの内容を考えること、発信用に整えること(文章を書いたり、デザインをしたりといったことも含まれるだろう)なども含まれるし、もちろん、その情報を受信者に届けるためのコストも含まれる。
これを経済学でいうところの、需要曲線にしてみよう。縦軸に一人に届けるための費用、横軸に人の数をとると、右下がりの曲線がかける。
情報発信に使えるメディアは、テレビ・張り紙・ラジオ・雑誌・メール・ウェブ・おしゃべりなどいろいろ考えられる。実際にはこれらのメディアには受信者へその情報が届くまでの時間や、同時に伝えられる人数、物理的な制約などさまざまな特性を持っていて、発信者はそれらをいろいろ勘案して使いたいメディアを選択することになるわけだが、ここでは議論を思い切り単純化して、情報発信のための「費用」だけを取り上げることにしよう。
そうすると、各メディアは先ほど述べた右下がりのグラフの上に、水平の直線として表現することが出来る。その直線の高さがそのメディアを使うためのコストにあたるわけだ。
需要曲線とメディアのコスト曲線(ここでは直線)の交点は、「何人の人間が実際にそのメディアを使って情報発信をするか」を表している。メディアによって情報発信のコストが低ければ低いほど、情報発信をする人の数は増えることになる。
ウェブの場合、この情報発信のためのコストが既存のマスメディアなどに比べ著しく低い。このため、情報発信をする人の数が大変増えることになる。
★グラフの別の読み方
さて、このグラフを別の方法で読むと、別の意味が見えてくる。この需要曲線は、それぞれの人が自分が発信する情報をどのくらい重要だと思っているのか、を示しているのだ。つまり、グラフの右側に位置する人は、自分が発信する情報の価値が高いと思っており、左側に行くほど自分の発信する情報の価値は低いと考えている。
このため、発信するコストが高いメディアでは、発信された情報の「質」は高いものが多くなると考えられる。発信するコストが低いメディア、例えばWEBでは、発信される情報は質の低いものが多くなるだろう。
高いものと低いものの比率は需要曲線がどういうカーブを描いているかに依存するが、なんとなくべき法則とかそれに近い曲線に依存しているというのはありそうなことだ。もしそうだとすれば、ウェブくらい発信コストが低ければ、質の低い発信が大量に発信されることになるだろう。
これで、よく「ウェブで発信される情報のほとんどはごみだ」という人がいることの説明がつく。ただし、このことの良し悪しはまた別問題であるが。この続きについてはまた気が向いたときにでも。
コメント(0)| Track back(0) | 2004-04-14 23:24:27
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