今日は、ストーリーはないです。地域通信インフラの、自治体に絞った動きについておおざっぱな全体像について記述。まだぜんぜん詰められていません。
★中間自治体(都道府県)と基礎自治体(市区町村)の違い
自治体には中間自治体と基礎自治体があり、中間自治体の方が地理的に広い範囲をカバーする。中間自治体には人口が集中している都市部と人口密度が低い地域が含まれており、情報環境の地域格差を抱えている。ADSLも利用できない市町村を複数抱えている。中間自治体はカバーする範囲が広く、住民数も多いため、基本的には住民に対するアクセスのサービスは提供せず、通信インフラの提供を行う場合には、市区町村を結ぶ情報ハイウェイを提供するのが普通である。中間自治体の場合、民間企業を含む一般へのインフラ開放が議論される。
一方、基礎自治体は地理的範囲が狭いため、中間自治体ほどは地域格差を持たない場合も多い。ただし、ADSLの距離の問題で、自治体内にADSL以上の広帯域常時接続サービスが利用できる場所と出来ない場所がある場合も多くある。これは、NTT局舎密度の低い低人口密度地域や中山間地域などに起こりやすい。基礎自治体の場合は、中間自治体とは違い住民に直接アクセスサービスを提供するケースが多い。
★非常におおざっぱな分類
自治体の提供するインフラの性質は、「開放/非開放」と「自設/借り上げ」の二つの軸での分類が可能である。「開放/非開放」は整備したインフラを一般事業者に対して利用させるかどうか、「自設/借り上げ」はそのインフラを自前で設置・所有するか、事業者などが既に整備し所有ている設備を借り上げて利用するかという違いにあたる。
この二つの論点は、両方とも「公がどこまでやるのか」という問題と密接に関連する。日本の通信インフラ整備の原則は民間事業者によるものである。
★「開放/非開放」問題について。
公的機関が自前で整備したインフラを開放することは、民業圧迫になってしまう可能性がある。一方では、現在はe-Japan戦略によって、公的機関が設置した通信設備は原則として開放することとなっている。設備の開放が可能かどうかは、どのように構築されているかにも大きく依存する。もし自前で光ファイバを設置しており、その芯数に十分余剰がある状態であれば、ファイバ単位でIRU契約を結び開放することは原則として可能だと思われる。この場合、事業者には設備への立ち入りなどが許されなければならないため、自治体側にはそれを見越した準備が必要となる。また、作ったネットワークがデータリンク層レベルで調達されていたり、必要な芯数だけを借り上げされていたりすれば、そのインフラを開放するには工夫が必要となる。ただし、不可能ではない。例えば、岡山情報ハイウェイはネットワーク層でインフラを開放している例である。
★「自設/借り上げ」について。
多くの地域では、インターネットへの安価な広帯域常時接続サービスがない場合でも、専用線等の大容量通信サービスは利用できる状態にある。また、既に民間事業者(特にNTTと電気事業者)が光ファイバなどの通信設備を持っているケースも多い。このような状況で、民間のサービスや設備を使わず自治体が自ら設備を設置することについては、二つの観点から問題がある。第一の観点はインフラへの二重投資の問題だ。第二の観点は、産業振興上の問題である。自ら構築せずに民間から調達すれば、その事業者の産業育成につながる。この観点から事業者からの調達を行う場合、なるべく公平な条件で事業者が入札に参加できなければならないだろう。
しかし、光ファイバや無線設備など設備を自設することには、他のメリットがある。まず、長期的に見るとコストが劇的に安い。設備をレンタルすることは、同じサービスが長期間続く場合結果的にはコストが高くつく場合が多い。特に自治体の場合、所有する資産に対する税がかからないので、民間よりもさらに有利になる。通信設備は大容量のものを設置すると、ビットあたりの単価は劇的に安くなる傾向があり、すでに大容量のネットワークが必要なほど利用が活発な場合や、将来確実に利用の増加が見込まれる場合には、特にコスト的なメリットが大きくなる。また、自由にネットワークを設計することが出来る。民間からの借り上げの場合、すでに設備が存在しないところには引けなかったり、事業者の建物内に機器を設置しなければならなかったりして、ネットワーク構築に関する制約が大きい。自設ネットワークを構築する場合には、こういう問題から逃れることが出来る。この、「事業者の設備に頼らなくてもすむ」というのは、通信政策上の中立性を保つ意味でも重要なポイントとなる。
ええい、すごい省いて書いてるのにきりがないから一旦ここでやめ。
コメント(0)| Track back(0) | 2004-04-30 23:00:12
Powerd by News Handler
本サイトは、いしばし(国際大学GLOCOM)がやってます。