[くまをとる]

47氏のやったことは悪だったのか、およびウェブログを書く恐ろしさ

「くまをとる」大ブレイク中で、ここしばらく多くのアクセスとコメントやトラックバックをもらってます。ありがとうございます。このサイトは個人的にいろいろ思うところあって、以下のような方針で運営しています。

・少なくとも1年間、なるべく毎日更新する
・原則として時事ネタをやらない
(winnyについてはいずれやろうと思っていたので原則を破ってしまいましたが)
・ニュース・他サイトへのツッコミはやらない

ニュースサイト、ツッコミサイトの方が本来ウェブログの仕組みには合っていると思うのですが、ここでは自分のネタを日々まとめて蓄積していくことに主眼を置いているので、原則としてその方法は封印しています。もちろん、日々が面白くなければ意味がないので、必要に応じて原則は破ります。

昨日の日記へのコメント
さて、以下はぜんぶ、現時点ではシロウトの感想として書きます。

僕が昨日の日記で「47氏は金銭的な利益を得ていたわけではなかろう」という意味のところに対して、技術者にとって一番の報酬は作ったものを「凄い」と言われることだという、その報酬ほしさに倫理を上回ってしまったのではないか、しかしそれを技術者がそうやって時々先走ることを許すのか、それとも倫理で縛り付けてまずいことは全部やらせないようにするのか、それは社会のあり方の問題だ、という意味のコメントがありました。(無理矢理短くしているので、詳しくはホンモノのコメント参照のこと)

技術者にとって最大の報酬が作ったものへの賞賛だということについては、120%同意します。(中には違う人もいるでしょうが、それでも) そして、それ欲しさに倫理を忘れたのではないかというのも、ぼくの感触とかなり合っています。

その後に、別の方から、「悪いことは広まりやすく、よいことは広がりにくい。もっとよく考えなよ」というコメントが入っています。このコメントの対象が、僕の記事なのかそれとも直前のコメントをされた方に対するものなのか、はっきりわからないのですが、これらのコメントから連想したことを書いてみます。

さて。。。
ぼくが迷いつつ自分で納得できないでいるのは、「合法だが、それをやると困る人がいるだろう」ことをやることは悪いことなのかということです。

社会のありかたとしては、日本は罪刑法定主義で、「やってはいけないこと」は事前に法律に書いてあり、そこに書いていないことは基本的にやっていいはずなのです。たとえば、yahooBBは恐ろしい値段でADSL事業に参入しました。そのおかげで、日本のADSLサービスの値段は劇的に下がりましたが、これは既存の事業者にとっては恐ろしく迷惑なことだったはずです。yahooBBの参入によってインターネット接続サービスは本格的な競争状態に入り、事業者によっては赤字であってもシェアを獲得しようと相当な無理をしましたし、yahooBBに対して恨みを抱いている人は非常に多いと思われます。yahooBBが業界秩序を壊したことは確実です。しかし、その確信犯的な行動は、責められません。

yahooBBは違法行為は助長しなかったから適切な例ではない、というようなツッコミも予想されますが、「既存の価値観」や「既存の業界の構造」や「既得権者」に対して合法(と47氏が信じていた)手段で挑んで対立を引き起こしたという点では同じではないでしょうか。いや、他人の違法を助長するような合法的行動は、いくらでも考えられるんです。例えば16日の日記へ頂いたコメントの中から選んでみても、200km出る車を売ること(UKさん)、花札を売ること(通りすがりさん)なんかもそうでしょう。
(47氏はおそらく自分の行動だけを取れば合法だと信じていただろう、というところがポイントです。)

ただし、47氏はwinnyで違法行為を平気でやる人を増やしたことは確実でしょうし、これまでの倫理や権利構造に問いかけをしたわけですから、法的なことはともかく、社会的には責任が生じてくるでしょう。やったことや言ったことに対して、議論が起こるでしょうし、それを受け止めなくてはいけないでしょう。47氏がどういう人かにもよりますが、これは多くの人にとってはかなりの負担だと思います。しかし、今では47氏を支持する人も多くいますし、社会的な議論の中で位置づけが決まっていくのでしょう。

僕は肯定か否定か? という話で言えば、全面賛成でも全面否定でもありません。ただ、基本的な47氏の心意気は買っています。


★考えを毎日書くことの難しさ
(独り言モード)
さて、ここで書くことにはまとまっていることもあれば、まとまっていないこともあります。少しずつ自分の考えを書いてコメントをもらうことの繰り返しが、考えをまとめることにつながっています。

ただ、winnyのネタでは結構毎日恐怖を感じています。winnyは社会的影響の大きい存在だし、いろんな見方があってそれぞれそれなりの説得力を持っているからです。winnyを「いい」とか「悪い」とか、「好き」とか「嫌い」と言い始めたとき、そこに正解はありません。

しかし、一度書いたことを取り消すことはできません。いや、サーバから消すことは出来ますが、何らかの形で残るものです。従って自分の書いたことにはある程度の責任を持たなくてはいけませんし、これは世の中に広く発言することの当然の帰結です。これと、「毎日書く」というサイクルが組み合わさると、結構怖いことが起こります。

もちろん、ここに書くことにはまだまとまりきっていないこともあれば、説明が不十分なこともあります。これは「毎日書く」ことに起因しています。たとえばwinnyの匿名性やトラフィックの問題について、まだ一番書きたいところは書いていないのですが、それは全部をまとめて書くだけの時間と体力がないからです。(ちなみにこの日記を書くのに、毎日1-4時間の時間をかけています) あるいは、当然一度書いた後から考えが変わることもあります。winnyについては基本線はあまり変わっていませんが。

こうなると、微妙な論点については、かなり安全側に倒して書くことになってしまいます。winnyの一件については、あまりにも取り扱いが難しい話題なので自分がかなり自重して書いていることを感じていて、あまり面白くありません。(といいつつそれでもいろんなツッコミを受けているわけですが)

結論:
うーん、どこまで踏み込んで書くのが一番楽しいのか、まだ読み切れてないんですよね。繰り返しているうちにコツがわかってくるのかも。

コメント(1)| Track back(0) | 2004-05-20 23:35:00

■ 別の方法論
はじめまして、数日前にこのサイトに辿り付いて以来、毎日興味深く読ませてもらっています。
本来ならメールでお知らせしたかったんですか、アドレスを見つけられなかったので、コメント欄で失礼します。
ちょっと本題からそれちゃうんですが、P2Pの理想論みたいなものを書き始めたんで、もしよろしければ見てくれませんか?
さかまた (2004-05-21 18:48:31)


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