5/25日の日記、「(地域)情報化の本質を考える2」で、情報化の大まかな二つの方向性について言及した。それは、「個を強め、空間を超える情報化」と、「集団と協調を強め、空間に依存する情報化」だ。
今回の話はまだうまくまとまっていないのだが、上の議論と関係が深いかも知れないもう一つの議論について書いてみる。ここでは仮にカギ括弧付きの「共有されているもの」と呼びたい。どういう名前が適切であるか、まだ絞り切れていない。
★「共有されているもの」と地域
協調して活動するグループは、大抵なにがしかの「共有されているもの」を持っている。それはルールであったり、歴史であったり、オフィスであったり、同じ言葉であったり、同じソフトウェアであったり、同じ知識であったり、目的であったりする。協調して活動するためには、なにかそういうものを持っていないと、協調することができない。そして、「共有されているもの」が多ければ多いほど、メンバー間のコミュニケーションのコストは減っていく。
こういう議論は、経営学の文脈でも、政治学の文脈でも、社会学の文脈でも出てくる。どの言葉が一番適切かは、まだよくわからない。
さて、地域情報化のことを考えると、地域というのはあらゆる種類のメンバーを含んでいて、必ずしも目的を共有していない。単に同じ場所に住んでいるだけだ、ということもある。一方、同じ地域に住んでいる人は非常に豊かな「共有されているもの」を持っている。空間や歴史を共有しているし、場合によっては帰属意識や振る舞いのルールも共有していると考えられる。例えば、「○○さんは地主だから」などということにも、大変多くの情報が含まれている。僕は今は東京タワーのふもとあたりに住んでいるが、出身は福井県で、かなりの田舎だと言っていい。東京あたりと福井あたりでは全く文化が違う。例えば、男女の役割分担についての意識は東京と福井では全く違っていて、それをふまえているのといないのでは、コミュニケーションの難しさが異なる。地域が持つ情報=地域で「共有されているもの」というのは、非常に大きい。
情報化の中で特に「地域」情報化を扱う時には、なぜ「地域」に着目するのかということを考える必要がある。それにはいろいろな答えがある。例えば、自治体の職員が地域情報化を考えるとき、それはすでに与えられた前提条件だからそうしている。例えば地域活性化のために情報化を使いたい、と考えている人は、むしろ情報化はツールであって、最初から地域を扱うことが目的になっている。
僕が最近考えているのは、「地域」情報化が、情報化のいくつかの方向性の中のとても重要な一部分を切り取って考えるのによい題材だということだ。それは、「集団と協調を強め、空間に依存する情報化」の方向性だ。
前述の通り、地域は非常に豊かな「共有されているもの」を持っており、「集団と協調を強め、空間に依存する情報化」の材料が非常に強化されている環境だ。地域情報化を追いかけることで、この情報化の方向性を見極めることができるのではないかという思いがある。
うーん、このあと話ががらりと変わるので、つづく。
コメント(0)| Track back(0) | 2004-06-01 23:16:00
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